おまとめローンには良い面と悪い面があります。良い面しか見ないと後で失敗する恐れがあるのです。そこでおまとめローンにはどんな悪い面があるのか分かりやすく紹介していきます。審査を受けるかどうか考えている方は参考にしてみて下さい。
毎月の返済額は減ったけど総返済額が増えた?!
おまとめローンを利用すると毎月の返済額が減る可能性が高いです。返済額が減った分だけ、月々の生活に余裕が生まれます。しかし毎月の返済額を減らした結果、総返済額が増える可能性があるのです。
目次
新たに借入してしまう場合
カードローンを提供しているのが消費者金融や信販会社、銀行などです。使途自由なため生活費は勿論のこと、旅行や趣味、買い物などでも利用できます。
しかし消費者金融や信販会社は総量規制の対象、年収3分の1以上の借入はできません。銀行カードローンは総量規制の対象外ですが、最近では自主規制によって年収3分の1以上借入できない銀行が存在しています。
おまとめローンは消費者金融や信販会社が提供している場合でも総量規制の対象外です。カードローンからの借入が難しくなった方はおまとめローンを考えるようになります。おまとめローンへの借換えが成功した結果、カードローンの借入余地が生まれるのです。
カードローンで新たな借入を増やしてしまうと総返済額が増えるために注意して下さい。借入を増やす前におまとめローンの返済を優先させることが大切です。毎月の返済の他、追加返済できるおまとめローンが多くなっています。積極的に追加返済を行い、総返済額を減らすと良いでしょう。
諸費用分が増えてしまう
総量規制対象外のおまとめローンでも年収2分の1までが借入限度額の目安です。年収300万円なら150万円、年収400万円なら200万円が目安となります。しかしおまとめローンへの借換えが成功しても借入総額は減りません。
諸費用が発生するおまとめローンを利用すると、諸費用分だけ増えてしまいます。審査申込みする前に諸費用が発生するのかしないのか調べて下さい。
返済期間が想像以上に長かった!
おまとめローンでは借入額が多くなる関係上、長い返済期間を設けています。返済期間10年15年といったおまとめローンは多いのです。返済期間が長くなると毎月の返済は楽ですが、発生する利息は増えてしまいます。
増えた利息分だけ総返済額も増えてしまうために注意が必要です。具体的にどの位増えるのかシミュレーションしていきます。
銀行でシミュレーション
銀行おまとめローンの審査に合格した場合の毎月の返済額、返済総額、返済期間、返済回数をシミュレーションすると次のようになります。
- 借入額 200万円
- 金利 年10%
- 毎月返済額 約3万円
- 返済総額 約291万円
- 返済期間 8年
- 返済回数 96回
同じ借入額、返済期間、返済回数で金利年13%に上がると毎月の返済額は約3万3千円、返済総額は約322万円となります。金利が3%上がっただけでも返済総額の差が約30万円出る結果となりました。毎月3万3千円の返済が8年96回も続くため、想像以上に長く感じるでしょう。
消費者金融でシミュレーション
消費者金融カードローンの審査に合格した場合でもシミュレーションしてみます。
- 借入額 200万円
- 金利 年15%
- 毎月返済額 約4万円
- 返済総額 約314万円
- 返済期間 6.5年
- 返済回数 78回
消費者金融カードローンでは銀行おまとめローンより最長返済期間と返済回数の設定が短い傾向があります。返済期間と返済回数が少ない分だけ返済総額も少ないです。
金利年15%の消費者金融カードローンから2%金利の低い銀行おまとめローンに借換えした場合、毎月の返済額は減るものの返済総額が増えてしまう結果となりました。
今回のシミュレーションはあくまでも簡易的なものです。参考程度に留めておき、幾ら減るのか気になる時はおまとめローンの審査申込み時に相談してみて下さい。
希望額を借りられない場合がある?!
おまとめローンの審査に合格すれば幾らでも借りられる訳ではありません。審査によっては借入限度額が低くなるため、一つのおまとめローンでは全ての借入をまとめ切れない可能性があるのです。借金総額よりおまとめローンの借入限度額のほうが少ないケースで起こります。
- A社からの借金100万円
- B社からの借金100万円
- C社からの借金100万円
借金総額300万円、おまとめローンの借入限度額200万円の場合、A社B社の借金はおまとめローンに借換えできます。しかしC社の借金100万円はおまとめローンに借換えできずにそのまま残ってしまうのです。
審査に影響する属性
おまとめローンの審査を受ける時に注意したいのが属性です。属性には本人や住所に関する情報、勤務先情報などがあります。属性が高いほど返済能力があると見なされ、借入限度額が高めに設定されますが、属性が低い方は抑えられてしまいます。
住居形態
住居形態には次のような種類があります。
- 持ち家
- 社宅
- 賃貸
- 公営住宅など
最も評価が高くなるのは本人名義の持ち家です。公営住宅に住んでいる方は評価が低くなるために注意して下さい。
居住年数
居住年数5年以上あると評価が高くなります。1年以下の居住年数だと評価が低くなるため、入居したばかりの方は注意して下さい。
家族構成
家族構成は同居家族が居る方の評価が高まります。逆に一人暮らしの方は評価が低くなります。同居の家族が居ても年収に対し、家族人数が多すぎる場合は注意が必要です。
職業
職業には次のような種類があります。
- 公務員
- 大企業の社員
- 中小企業の社員
- 自営業
- パート・アルバイト
- フリーター
- 無職など
評価が高いのが公務員や大企業の社員です。安定した収入を得やすいと審査で判断されます。フリーターや無職では評価が悪くなるため、審査合格が厳しくなるでしょう。
勤続年数
5年以上の勤続年数があると評価が高まります。半年以下、3か月以下といった短い勤続年数では評価が低いために注意して下さい。
年収
年収が多いほど審査時の評価が高まります。年収400万円を得ていると審査合格の可能性が高まりますが、年収200万円以下の方は注意して下さい。中には申込み条件に一定以上の年収を記載するおまとめローンがありますので、申込み条件を良く確認して下さい。
申込みブラックに注意
おまとめローンの審査に合格する自信の無い方が何社ものおまとめローンに申込むことがあります。3社4社の審査に落ちてしまっても、1社の審査に合格すればおまとめできると考えるのです。しかし短期間に何社もの審査を受けると申込みブラックとなるために注意して下さい。
申込みブラックとは?
クレジットやローンの審査では信用情報機関に照会をかけています。個人信用情報を収集し、管理しているのが信用情報機関です。国内には次のような信用情報機関があります。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
クレジットやローンに申込みすると情報が個人信用情報に記録されます。会社によって基準が異なりますが、1か月に3社以上の申込み記録があると申込みブラックになるのです。借金返済に必死になっているため、短期間に何社も申込みしていると判断されてしまいます。
返済能力が低いと貸し倒れの恐れがあるため、審査の段階で落としてしまうのです。借金返済に困って慌ててしまい、申込みブラックの存在を忘れてしまうと余計審査が厳しくなりかねません。申込み記録は6か月で削除されるため、申込みブラックにならないよう、スケジュールを組んでおくと良いでしょう。
消費者金融や信販会社はCICやJICCに加盟、銀行はKSCに加盟していることが多いです。2つ以上の信用情報機関に加盟している会社もあります。例えば銀行おまとめローンに1回申込みした時には次のように記録されます。
- 消費者金融(CIC1回/JICC1回)
- 信販会社(CIC1回/JICC1回)
- 銀行(KSC1回/CIC1回/JICC1回)
3つの信用情報機関に加盟している銀行では、消費者金融への申込み記録も分かります。会社によって加盟している信用情報機関が異なるため、申込み時に確認しておきましょう。
返済遅延がある場合は要注意
申込みブラックの他にも注意したいのが返済の遅延です。クレジットやローンの返済を遅延した場合も個人信用情報に記録されます。遅延のある方は返済能力が低いと判断されてしまうのです。
会社によって異なりますが3か月以上、61日以上の長期遅延はブラックリスト入りとなります。ブラックリスト入りの状態ではおまとめローンの審査を受けても合格の見込みが少ないために要注意です。例えば消費者金融カードローンの返済を遅延し、ブラックリスト入りした時は次のように記録されます。
- 消費者金融(CICブラック/JICCブラック)
- 信販会社(CICブラック/JICCブラック)
- 銀行(KSC記録なし/CICブラック/JICCブラック)
個人信用情報は共有されているため、他社に申込みしても分かる仕組みになっています。ブラックリストが削除されるまでの期間は5年です。一度ブラックリスト入りすると当分の間はおまとめできません。
開示請求ができる
信用情報機関に加盟していない第三者では個人信用情報を閲覧できません。しかし本人の個人信用情報であれば開示請求すれば閲覧できるのです。
ブラックリストから削除されたかどうか、知りたい時は開示請求を行うと良いでしょう。信用情報機関によって手続き方法が異なるため、事前に確認して下さい。
- KSC(郵送による申込み)
- CIC(インターネット/郵送/窓口)
- JICC(スマートフォン/郵送/窓口)
削除済みの確認ができてから、おまとめローンに申込みする訳です。ただし社内ブラックの存在があるため、ブラックリスト削除後であっても長期遅延した会社では審査が厳しいです。会社を変えて申込みしたほうが良いでしょう。
開示請求すると手数料が発生します。
- KSC(1,000円)
- CIC(インターネット1,000円/郵送1,000円/窓口500円)
- JICC(スマートフォン1,000円/郵送1,000円/窓口500円)
何度も開示請求で確認すると手数料の負担が重くなるために注意して下さい。